cat scratch fever

今にして思えば、大すけは三沢に可愛がられてはいたが、愛されてはいなかったんじゃないか。
懐いてきた野良犬を連れて帰って家族にしたけれど、はなっから愛情の種類が違っていたわけで。犬も犬なりに、柄にもなく健気に番犬の役割を果たして来たのに、ある日自分の立場に気付いてしまった、みたいな。
WAVEの4人が並んだ時に感じた違和感は、大すけひとりが必死に自分の場所を探している焦りだったんじゃないか。どんなに可愛くても健気でも、大きな犬は座敷には上げてもらえない…みたいな。

その点、佐野は三沢に愛されているんじゃないか。
もちろん小川や丸藤に対する愛情とは違うけれど。愛情というより認めているという類のそれだろうけれど。変に懐いて来ない辺りも、三沢好みなんじゃないか。
尻尾を振って顔を舐めて来る犬と、手招きしても知らん顔で毛繕いをしている猫は、どちらも可愛いものだし。

おそらく少数派の意見だと思うが、私は佐野にWAVEに入って欲しいと思っている。
大すけに見つけられなかった居場所が、佐野になら見つけられるんじゃないか。それはきっと、大すけが望んでいた場所とは違うのだろうけれど。
家族の目を盗んで食卓に上ったり、洗濯物の上で寝たり、それでも人目があれば何食わぬ顔で、お利巧さんを気取ってみたり。家族には無関心なようでいて、しっかりひとりひとりを観察している。一旦家の外に出れば、全く別の顔を持っていて。全然存在感がないようでも、いないと寂しい。そんな存在になれるんじゃないか。
チームとして完結してしまっているWAVEに佐野が入ることで、より独自性が増すんじゃないか。それが私以外のファンにとって、面白いのかどうかはわからないけれど。

そう思いながら、今の大すけがタッグを組むとしたら、佐野しかいないよなぁ…というのも、偽らざる本音。
立場的に似ているから、天邪鬼な私としては組んでは欲しくないのだけれど。でも、裏の裏は表ってことで、敢えて大本命ラインで勝負を懸けるってのも、アリか。うーむ。
…こんなことで私が頭を悩ましたって、何の役にも立ちゃしないんだけどもさ。