so many tears

一週間が経ってしまった。先週の今日、私は泣いた。それまでもウルウル、ジワーッとしたことはあったが、プロレスを見てああまで泣いたことはなかった。終わった後で友達に醜態を見られたことは少々照れ臭かったけれど、心の中は晴れ晴れとしていた。私の中でくすぶり続けていたものに、確実にケリがついた

前日に調印式を見に行っていなければ、もしかしたら泣かなかったかもしれない。それ以前にメイン前に席を立っていた可能性もある。7月の代々木、9月の武道館でそうしたように。
逆に言えば、そのふたつを見ていないからこそ、感情移入が出来たのかもしれない。久々に見るGHCが三沢vs小川だったということ。私にはやはり、このふたりの存在は大きかったのだ

最初のうちはそうでもなかったが、試合が進むにつれて00.4.15が思い出された。静かな場内でふたりが展開するのは、正にふたりにしか出来ないプロレス。それが懐かしく、嬉しく、胸を打たれた。
私がかつて愛したもの。周囲の状況が変化し、私の心が離れても、ふたりは変わっていなかった。ふたりを見ながら、遠く離れ、憎んで恨んだ自分を振り返った。そのことは残念なことではあるけれど、やっとこうして正面から向き合えたのだけはよかった。でなかったら、私はこのまま、引き摺り続けていただろうから

試合の終盤は、ただ口を手で押さえて、涙を流すしかなかった。「終わっちゃう、終わっちゃう」ただ、頭の中で繰り返しながら。試合が終われば確実に何かが終わる気がした。そして終わって感じたのは、喪失感よりもけじめがついたという思いだった。
昔の男はそこにいた。忘れられるわけがない、初めての男だったのだ。そのことに拘りすぎていた自分を見つけて、多分私は泣いたのだと思う。
もう恨んでいない。これからも自虐的に「元チャブラーでした」と言うことはあるだろうが、それをもう恥じることはないだろう。
そう、私はWAVEのファンではなかった。三沢と小川が好きだったのだ。そのことが全ての始まりで、私は12.7横浜文体にいて、泣いた。
この一週間、書かずに逃げてしまおうかとも思ったが、あの涙を見て不審に思った友と私自身のために残しておくことにする。あなた達と出会えたのも、三沢と小川のおかげなのだから